採用選考において戸籍謄本などの提出は求めてはいけない!
 前回のBlogの続きの前に、ちょっと問題の大きな報道がありましたので、そちらに関するお話の方を先に書いておきます。

 「採用選考で2割近くの企業が戸籍謄本求める」
 (リンク先は報道機関のwebページのため、削除される場合があります)
 労働組合の連合が、採用選考の実態を全国約3,600の企業や自治体からアンケートを取った結果、戸籍謄本の提出を求める企業などが2割近くに上ることが判明したそうです。
 正直、あまりに多い数に驚いています。

 平成11年に労働省告示として示された採用に関する個人情報収集の禁止事項の中に、
「人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項」
の収集があります。
 具体的に言えば、戸籍謄本、戸籍抄本、本籍地が記載されている住民票を提出させることは禁じられていることとなります。これは、採用選考の時に、本人の適性や能力ではない理由で判断することによって就職差別が生じてはならないという考え方のもとに決められていることです。仕事をするのは、その人本人です。その方がどのような出自であろうと、仕事をすることそのものには関係がないはずです。また、親がシングルであることや養父母であることも、本人の適性や能力とは直接的には関係がありません。本人の適性や能力が、求めている職業能力と合っているのかどうかだけを選考対象とする必要があります。そうではない理由で判断した場合は、不適切な採用選考だったということになります。
 本人の適正や能力ではない理由で選考していたということが従業員に知れ渡れば、モチベーションの低下にも繋がります。モチベーションが下がれば勤務態度などにも影響をして、好ましくない事態が生じることとなります。会社の業績を上げたいのであれば、避けるべき行為であると思います。

 もし、暫く停止していた採用活動を再開されるのであれば、「昔は戸籍を提出させていたから」というような理由で、戸籍謄本等の提出をさせることの無いようにご注意ください。
 もし、今まで継続して採用選考のときに戸籍謄本等の提出をさせていたのであれば、今後は提出させないようにしてください。
 また、戸籍そのものは非常に重要な個人情報です。その管理は個人番号(マイナンバー)と同程度の注意が必要と考えられますので、もし戸籍そのものを取得されている場合は、厳重な管理をお願いいたします。社内での管理に不安があるような場合は、本人に返却するのも一つの方法でしょう。

 ご参考までに、厚生労働省の採用選考に関するwebページをリンクしておきます。
 「公正な採用選考の基本」
是非、お読みください。

 自社で行っている採用選考が適正であるかどうかなど不安なことなどありましたら、お問い合わせください。
2017.1.22


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