解雇に関するトラブル/大神令子社会保険労務士事務所(大阪市北区)
採用内定を出しているのですが、その後の震災により採用内定者を実際に採用するのが困難な状況になりました。採用内定を取消すことはできますか?
採用内定者の採用内定の取消しに関しては整理解雇に準じた扱いをする必要がありますが、震災が理由となる場合は認められる可能性が高いと思われます
採用内定をしたということは、試用労働契約が成立したとみなされます。まだ正式な従業員でなくても労働契約が成立したことになるのです。ただし、「始期付かつ解約権留保付」といって、一定の条件付の契約となりますので、その条件に当てはまる場合は解約ができるという状態です。
条件付とはいえ労働契約が成立している以上は、内定の取消しは正式な従業員の整理解雇に準じた扱いとなります。入社前だからといって、安易に内定を取り消すことはできません。

地震により企業規模の縮小を余儀なくされた場合には、採用内定の取消しも客観的に合理的で社会通念上相当と是認される可能性が高いと思われます。しかし、震災に乗じて不必要な採用内定の取消しを行うことは許されず、必要な取消しであっても整理解雇の4要件に準ずるべきとの厳格な考え方もありますので、震災を理由とする採用内定の取消しも慎重に誠意を持って行う必要があります。
被災地以外に勤務地がある場合は、そちらでの雇用を検討する必要もあるでしょう。他にも、どうしても予定の採用開始時期に採用できない場合は時期を遅らせるなど、採用そのものを取り消してしまわない方法も考える必要があります(可能な限り予定どおりの日程での採用をする努力は必要です)。尚、最初から被災地以外の勤務地での採用内定者である場合は、震災による被害も低いと認定される可能性も高いですので注意が必要です。

震災に関わりなく、内定取消しの事由は就業規則に定めておく必要があります。採用内定通知書にはその規定と同じ内定取消事由を明記しておくことをお勧めします。




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震災により会社の資金繰りが悪化し、できれば一部の従業員を解雇したいと考えているのですが、可能でしょうか?


2011.3.29


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