解雇に関するトラブル/大神令子社会保険労務士事務所(大阪市北区)
今回の震災で、事業場の施設・設備が直接的な被害を受けたために、事業の全部又は大部分の継続が困難になったことにより労働者を解雇しようとする場合、「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」による解雇といえるでしょうか?
今回の震災の場合は、原則として「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」に当たるものと考えられます
労働基準法第19条では、使用者は労働者が業務上の負傷又は疾病のため休業する期間及びその後30日間、産前産後の女性が労働基準法第65条に基づいて産前産後の休業をする期間及びその後30日間は、労働者を解雇してはならないと定めています。ただし、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合に労働基準監督署長の認定を受けたとき等はその限りではないとされています。
また、労働基準法第20条では、使用者は労働者を解雇する場合には、30日前に予告するか30日分の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならないとされています。ただし、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合等で労働基準監督署長の認定を受けたときは、解雇予告や解雇予告手当の支払は不要とされています。

労働基準法第19条と第20条の「天災事変その他やむを得ない事由」とは、天災事変のほか、天災事変に準ずる程度の不可抗力によるもので、かつ、突発的な事由を意味し、経営者として必要な措置をとっても通常いかんともし難いような状況にある場合を意味すると解されています。また、「事業の継続が不可能になる」とは、事業の全部又は大部分の継続が不可能になった場合を意味すると解されています。

今回の震災で、事業場の施設・設備が直接的な被害を受けたために事業の全部又は大部分の継続が不可能となった場合は、原則として、「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」に当たるものと考えられます。
ただし、震災の直接的被害によるかどうかは個々の事業所で判断されますので、詳細はお問い合わせ下さい。




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震災により会社の資金繰りが悪化し、できれば一部の従業員を解雇したいと考えているのですが、可能でしょうか?


2011.4.1


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