大神令子社会保険労務士事務所Q&A | 普通解雇後の解雇無効申し立て
本人も納得して普通解雇をしたのですが、日数が経って解雇無効の申し立てをされました。これは有効なのでしょうか?
個別の判断になりますが、かなり長期間経過していない限り有効となる可能性があります
解雇には、懲戒解雇と普通解雇があります。普通解雇は、懲戒解雇に該当する場合も含みますが懲戒的意味合いのない解雇を言います。
この普通解雇において、退職時には話もし手続きもとって、納得の上で普通解雇とした場合であっても、事後に解雇無効との訴訟(裁判)を申し立てられる事があります。
日本においては企業側からの解雇は非常に認められにくく、労働者側に問題があるような事例であっても企業側には不利な判決となる事が多いです。そのため、解雇として合理性・正当性が無かった場合は、解雇は無効であるという争いが生じる可能性がありますので、不当解雇と認識されるような解雇の仕方には十分な注意をしなければなりません。

解雇された従業員が異議なく退職金を受け取るなど退職に関する手続きを全て正常に行い、その従業員が他の企業に就職し、長期間解雇無効に関して争わなかった場合は、解雇の効力について争う権利はないと判断できなくはないのですが、この「長期間」がどの程度の期間、例えば何年であれば権利がなくなるのか?については法律上何も規定されておらず、判例としてもケースバイケースと言える状況です。
ただ、判断のポイントとしては、以下の点を挙げることができます。
1.退職金等の退職に関連する金銭を受け取るまでの経緯
2.その金銭を退職に伴うものと理解して受け取ったかどうか
3.その金銭を受け取るに当たって、不満を残していたかどうか
4.本人にその金銭を受け取る必然性があったかどうか(経済的理由等)
5.解雇されてから解雇無効の裁判を起こすまでの期間の長短
6.長期間裁判を起こさなかった理由に正当性があるかどうか

少なくとも解雇から半年程度は争いが起きる可能性はあります。特に、雇用保険の受給が終わって数カ月後くらいが一番可能性が高くなりますので、解雇の時に円満であったとしても安心せず、解雇そのものに十分な注意を払うだけでなく、その時に解雇の理由として整えた書類は必ず保存しておかれることをお勧めします。




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2011.8.16


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