アルバイトをしていた事を理由に解雇することはできるでしょうか?
本来業務にどの程度影響があるかによって変わります
会社と労働者の関係は、労働契約という「契約」を結んだ双方ということになるのですが、その労働契約においては、基本的に所定の労働時間内に労働を行い、それに対して賃金を支払うということになりますので、所定の労働時間外で何かを行ったとしても、原則としては労働者の自由ということになります。

しかし、この自由に使える時間中の行為によって、労働契約を結んでいる労働時間内の労働に支障をきたすような場合は労働契約違反となり、場合によっては解雇できることとなります。アルバイトへの移動のために本来の労働時間を削らないといけないような場合や、アルバイトによる疲れで本来業務が行えない等があるのであれば、解雇せざるを得ないということになります。
但し、その前提として、就業規則で、副業(アルバイト)禁止を規定する必要がありますし、その規定を従業員に知らせる必要もあります。また、アルバイトをしている回数やそれが違反行為であることを本人に伝えているか(始末書等)どうかも問題となります。
当然のことながら、そもそも労働契約を正しく結んでいる必要があります。書面での労働契約の取り交わしは就業規則の有無に関わらず、必ず行って下さい。

今の時代は、会社側が万一に備えて行動しているかどうかによって対抗できるかどうかが大きく変わります。企業規模に関わりなく、また面倒であったとしても、日頃からキチンとした対応をしておく必要があります。「気持が通じる」ということは通用しなくなっていますので、十分な注意をなさって下さい。

尚、労働時間内にアルバイトを行うことや会社の施設や設備を用いてアルバイトを行うこと、また業務に関連して私的な収入を得ていた場合等は、アルバイト禁止かどうかではなく職務専念義務違反等、他の違反行為となりますので、その理由で解雇できることとなります。ただし、この場合も適正な手続き等を取っている必要があります。




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2011.8.28


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