試用期間中の社員の解雇は正社員の解雇とは違うのでしょうか?
試用期間中の社員の解雇には正社員の解雇より広い範囲での会社の自由が認められています
そもそも試用期間というものは、労働者を試みに用いてその間の勤務状態等を観察することにより労働者の適格性を判断するために設けられた期間であり、「解約権保留付雇用契約」であると解されています。
この期間の解雇は、通常の解雇より広い範囲での自由が認められます。つまり、本採用後の正社員としての解雇であれば認められないような事由であっても、試用期間中の場合は認められる可能性があります。
試用期間中の解雇(保留解約権の行使)が許されるのは、試用期間が適格性の判断をするための期間という意味から「客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当として認められる」場合となります。ですので、客観的に見て正社員として不適格と判断しうるだけの事情(勤務態度、成績、明らかな能力不足等)がある場合のみとなります。
もちろん、正社員として解雇せざるを得ないような状況であれば、通常の解雇として有効となります。
試用期間中の解雇と言っても解雇には違いありませんので、慎重な対応が必要です。また、雇用開始から14日を超えている場合は、解雇予告手当の対象となりますので、注意が必要です。
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2011.5.10