当社には明文化された退職金規定がありませんが、この場合は退職金を支給しなくて良いでしょうか?
退職金規定がなかったとしても、過去に退職金支給の実績が複数回あり、退職金支給の慣行があると認められる場合は、退職金を支給しなければならないこととなります
退職金に関する定めは就業規則の相対的記載事項と言われ、これを定めるかどうかは会社が自由に決めて良いことになっています。退職金制度がないのであれば退職金を支払う必要はなく、労働基準法にも違反しません。もし、退職金制度があるのであれば、その場合は就業規則等に定めなければならないことになっています。
しかし、就業規則等に明文化されていない場合であったとしても、退職金が支払われているケースがあります。この場合、明確な基準に基づいて退職金の支払いが慣行的に行われていて労働契約の内容として退職金支給の慣行が確立していると認められる場合は、退職金の支払義務が発生することとなります。
一定の事実が長期間反復して行われていて、労使双方が明確に否定していない場合には、慣行的事実として義務が発生し、義務を拒む場合は権利乱用とされてしまう場合があります。就業規則等社内規程に反する取扱いや規程にない取扱いを行う場合は、十分な注意が必要です。闇や裏の慣行が生じないような管理を行い、好ましくないものには廃止等の適切な対応をすることが必要です。
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2011.4.13