業績が悪化したため給料を下げたいのですが、可能でしょうか?
根拠もなく、また従業員の同意もないまま一方的に減額することは認められない可能性が高いです
昨今の景気低迷時代の中で、業績不振を理由とする給与切り下げの検討をされる企業も少なからずありますが、給与は労働契約のうち一番重要な要素ですので、どのような理由であれ、労働者の同意なく、一方的に引き下げ(不利益変更)することは許されないのが原則です。
もし、給与の引き下げをするのであれば、まず、就業規則に不利益変更の場合の要件と手続を定め、それに従った形で変更することを検討する必要があります。もし、就業規則に不利益変更に関する規定がない場合は、就業規則そのものの不利益変更を行うこととなりますので、そのための高度な合理性が必要となります。

給与の引き下げには、直接、基本給その他の給与額を下げるだけではなく、職位等を低く変更する事により資格手当や役職手当等を減額・支給しないという方法、一部手当を減額・削除する方法、配転により給与額を減額する方法等も対象となります。手当を無くすのだから給与の引き下げには当たらない、という考え方は避けた方が良いでしょう。

どのような形であれ、給与額を減額する場合には、その方法に偏りや恣意がないように注意をし、当該従業員本人又は労働組合の同意が必要です。
また、就業規則(給与規定)の改定も必要となるのが一般的です。

尚、整理解雇に代わる方法として給与の引き下げを行う場合は、整理解雇に準じた厳しい判断がされますので、十分な注意が必要です。





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2011.10.14


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